闇に輝く光

クリスマスは、キリストの降誕を祝うと同時に、闇を照らす光の誕生も祝います。
わたしたちは、誰でも心の闇を体験します。光、すなわち希望や信頼を見いだせないときは、深い苦悩の闇に陥ることでしょう。また、あの東日本大震災では、日本国中が闇の中に落ちたようになりました。また、全世界が新型コロナウイルスによる闇を体験しました。現在も戦争や紛争が続き、その闇がいつ明けるのか、なかなか見えてきません。
しかし、星が見えるのは、夜が暗いからです。闇に包まれなければ、わたしたちは星の輝きを見ることはできません。その闇が深ければ深いほど、遠くかすかな光でも見えてくるのです。

闇の中を歩む民は、大いなる光を見
死の陰の地に住む者の上に、光が輝いた。
(イザヤ9章1節)

イエス・キリストの誕生がもたらした救いの光は、誰も気づかないほどかすかなものでしたが、夜通し羊の群れの番をしていた羊飼いたちのように、貧しく小さくされた人々にははっきり見えて、あたたかく光り、心に輝くものでした。
わたしたちも、その輝きを見ることができますように。そして、その光に導かれて、平和でよい新年を迎えることができますように祈ります。

イエズス・マリアの聖心会
管区長
千原通明