<牛久の友の会>Friend’s of USHIKU 報告

<牛久の友の会>Friend’s of USHIKU

BLOG:https://foushiku.blogspot.jp/
設立:2014年1月
代表:マイケル・コールマン神父
活動内容:東日本入国管理センター被収容者への面会・差入れ
外国人生活困窮者支援(フードバンク食料支援など)

常陽銀行 土浦駅前支店
(口座番号)普通 1569069
(口座名義)ウシクノトモノカイ マイケルコールマン

 

 


最近の東日本入国管理センター(牛久)支援活動から

 もうすぐクリスマスです。わたしたちはしずかに「主の降誕」を待ち望んでいます。
残念なことですが、このコロナ禍のなかで、収容施設内でのクリスマスミサは禁止されました。

  1.  ハンガーストライキと精神の崩壊
  2.  コロナ感染対応で仮放免の許可が急増
  3.  検討中の送還忌避罪や被仮放免者の監理等について

1. ハンガーストライキと精神の崩壊

 入管施設内に長期収容されいるかれらが抗議をするためのただ一つの手段としてハンガーストライキがあるようにおもわれます。
ハンガーストライキをはじめると入管職員はかれらをひきはなし独居室に移します。
かれらはたった1人で強い信念を持ち続けなければなりません。
かれらの皮膚はボロボロになり、だんだん体力が衰え、本当に食べる力もなくなります。
かれらは夢遊病者のようになり弱り果てた体は精神をくるわせます。
自殺未遂を3回以上繰り返したクルド人や、大村入管ではナイジェリア人が餓死した事件もあり、内部で死者や重傷者が発生するとおおきな社会問題となるので、入管は仮放免の許可を条件にハンガーストライキをやめるように説得します。
その説得に応じて仮放免され、2週間後の更新で再収容を2度もくりかえしたクルド人もいました。
また、とてもまじめで紳士的だったイラン人はハンガーストライキをつづけたため、精神が崩壊し、医務室内の機械に自分の糞尿をふりかけ器物損害で刑事事件となった事例もあります。
 これらはひとえに難民認定率(0.4%)の低さ、仮放免を認めないことによる長期収容がおおきな要因となっています。

2. コロナ感染対応で仮放免の許可が急増

 この次期、被収容者たちはおおきな不安のなかにいました。しばらくたって、アルコール消毒やマスク配布(1日1枚)が始まったようです。
そのうち品川入管で職員が感染したことをうけ、牛久入管でも弁護士以外は面会ができない状況が3ヶ月ほど続きました。被収容者はだれもPCR検査をうけられませんでしたので、外部から通勤してくる入管職員からの感染におびえていました。
そして急激に仮放免許可申請がみとめられ、牛久入管では300人ほどの被収容者が90人ほどに減少しました。現時点(2020年12月)では、おおよそ各居室に1名程度の収容状況となっているようです。
 また、仮放免となったかれらにとっては大きな生活の困難があります。
在留資格がないので就労は禁止されているし健康保険も交付されない。かれらは支援団体や同国人のなかまをたよるしかありません。病気で診察を受けると保険がないため多額の治療費全額を請求されるのをおそれて病院に行かずにがまんしてしまう。そのためアパートで一人ぼっちでなくなったベトナム人もいます。
 このような人権のない状況の中で、かれらはどうしたらいいのでしょうか。

3. 検討中の強制送還や被仮放免者の監理等について

 入管政策での長期収容が人権上の問題であると国連のUNHCRから指摘されています。
そのなかで法務省は不法残留者や送還忌避者を合法的に強制送還できるように『退去命令(送還忌避罪)』や『送還停止効の例外』の導入、収容に替わる『監理措置(仮唱)』の創設など被仮放免者を支援弁護士や支援団体からひきはなし、被監理者(被仮放免者)の監理・監督を出入国在留監理庁が選定した『監理人』に掌握させるなどについて法律を改定しようとしています。
送還忌避罪は刑事罰のため送還忌避者は刑務所に拘置され、刑期を終えたあと入管収容がくりかえされます。そして刑事罰対象者を支援している弁護士やボランティア団体は、送還忌避の幇助罪が適用されようとしています。
また被監理者(被仮放免者)は監理人以外から支援などを受けることができなくなるでしょう。
 わたしたちはこのような法律改定には反対しています。
特別な在留資格を与え、就労を可能にし、健康保険に加入できる等の行政の柔軟な運用が必要ではないでしょうか。かれらもそれを待ち望んでいます。

 

投稿:加藤健司(土浦教会)2020年12月